今日がその日でした。
言語を勉強していていつも不思議に思っている事があります。
シュメールの粘土板、ロゼッタストーン、ブラーフミー
サンスクリット、皆横書きです。
インドヨーロッパ語族は横書き、
中国語、漢字圏は縦書きです。
世界の大多数は横書きですが中国語は縦書きになったのは何故か。
人間の目は横についていて、横の視野が縦方向より圧倒的に
広いので、横書きの方が見やすいと思います。
昔、速読法を勉強していた時、横書きだと文章全体が一気に見通せるので
センテンスを一つの塊として読んで行けます、と説明がありました。
横書きの方が速く読めますみたいな事でしたね。
でも、英語のような表音文字はそうかもしれませんが、
漢字は表意文字なので、漢字を視野にとらえれば
意味が理解できて、縦書き日本語も結構早く読めますけどね。
でも多分、横書きの方が自然なのだと思います。
では、はぜ中国語は縦書きなのか。
何故、古代の中国は縦書きを選んだのか、謎です。
僕の仮説は、筆記具のせいではないかと思うのです。
つまり筆ですよね。筆はその性質上縦書きの方使いやすいのです。
漢字は世界最古の文字ですが、
甲骨文字が一番古い漢字であると言われています。
その甲骨文字に筆の事が記載されているので、
筆と文字の発明はほぼ同じ時期であろうと思います。
一方、横書きチームはおそらく筆記具が固い物を使っていたので
筆より文字を書くのに力がいる、そのため縦書きは無理があるので
自然と横書きになったのではないのかと思います。
ちなみに古代インドでは、ターラの葉っぱに尖った樹の枝で
傷をつけて文字を書いていました。
樹の葉の乳液がインクの役割をしていたのです。
この葉は結構保存がきくので法隆寺には7〜8世紀のサンスクリット語
でターラの葉に描かれた般若心経の写本があります。
しかし現代では、漢字の家元の中国では縦書きは廃止されて
漢字を横書きで書いています。
日本は先の戦争で負けた時、日本語の表記を変えようという動きがあって
横書きが推奨されて、横書きが多くなりました。
しかし、今日本では縦書き横書き両方使ってますよね。
本は大体縦書き、教科書や学術的な本は横書き。
新聞は縦書き、公式な文章は横書き、会社関係は横書き
パソコンも横書き。ハガキ、手紙は両方。
こんな国、多分他にないと思います。
我々日本人は、慣れているから何とも思わないのですが、
外国人、特に西洋人は驚くと思います。
「 文章は縦書き、横書きその人の勝手で良いですよ。って
そんなのありかよ? 日本人ヨクワカリマセンデス 」
ここが日本人の素晴らしいところです。
柔軟というか、自由とうか、いい加減というか、
枠にとらわれないというか、まさに縦横無尽です。
せっかく、日本語表記においては縦横無尽にやっているのだから
われわれの日々の生活の中でも、枠に囚われずに、
柔軟で自由に生きて行きたいものです。
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