少し前に、ゴーストライターがいて、耳が聞こえない
という嘘をついていた有名な作曲家のニュースが
ありましたが、その本人が記者会見をしていました。
イヤー、びっくりしました。ご本人は髪を切って
髭を剃って、サングラスをはずして会見をしていましたが、
以前の顔(テレビや雑誌で見た顔ですが)
と様変わりです。
芸術家っぽい顔だったのが、ただのオジサンになっていました。
まあ、ご本人は印象をよくしようと思ったのでしょう。
メラビアンの法則というのがあります。
人が他人から与えられる影響が、言語によるものが7%、
聴覚が38%視覚が55%であるというものです。
その人の話す言葉より、見た目が半分以上大切ですよ、
と言う事です。
メラビアンの法則は、自己啓発系や面接系、
コミュニケーション系の本や、サイトや、セミナーなどで
よく引用されています。
「人は見かけで決まる」、「人に好かれる方法」
みたいな感じの本やセミナーをよく見かけますね。
でも、これ日本において間違って理解されています。
だって言葉によるものが7%っておかしいと思いませんか?
おかしいですよね。
この、おかしいと思う感性、大切にしましょう。
人間は〇〇の法則のように法則がつくと信じてしまいがちです。
法則がつくとそれだけで正しい事のように思ってしまうのですね。
この法則でアルバート・メラビアンが言っている前提が違うのです。
人が相手に対して、話と、声の調子、表情などに矛盾がある時、
7%、38%、55%の割合でその人の真意を探る、
と言う事です。
たとえば、悲しそうな顔をした人が、
「いや、ぼく悲しくなんかありません、
今ものすごく楽しいです。ルンルン。」
と暗い声で言ったとすると、ほとんどの人は、
この人の言う事よりも見た目で判断しますよね。
当たり前だよね。
これは、人間は相手の言ってる内容と、声の調子、
表情を一体のものとして情報を得るのですが、
情報に矛盾があった場合に、表情を最優先すると
言う事です。
おそらく、人間が言語を獲得する以前には
相手の表情や声のトーンで情報を伝えたり受け取ったり
していたので、情報が矛盾した場合の判断として
原点に戻って表情を最優先するのでしょう。
(竹中直人の笑いながら怒る人のギャグを思い出します)
確かに、言葉のわからない外国へ行っても、
表情や身振り手振りでなんとか意思は通じるといいますし
言葉は嘘をつくけど、表情は嘘をつきにくいので、
表情はたしかに大切です。
しかし、話す内容も同様に大切です。
表情はおおざっぱな事しか伝える事は出来ませんが、
言葉はもっと繊細な事を伝える事が出来るからです。
昨日の嘘の作曲家の人の記者発表を聞いていても、
かれがいくら髪形や髭を剃って、神妙な顔をしていても、
話を聞くだけで、何か信用できない印象をうけてしまいます。
「人は見かけが大切」だと思って、面接で見掛けだけ良くしても
話す内容がレベルの低いものだったら、
間違いなく不合格になりますのでご注意ください。
話の内容、表情、声の調子それぞれ矛盾なく
自然に相手と対応する。これが印象をよくする秘訣です。
まあ、当たり前の話ですけど。
で、この嘘の作曲家さんですが、もし私がアドバイスするとしたら
坊主頭にして、とにかく謝る。平身低頭、全て自分が悪いのですと、
涙ながらに謝りまくる事を進めます。
日本人は、情緒的な民族ですし、同情的です。
「これだけ謝ってるんだ、許してやろうじゃないか、
ねえ八つあん、熊さん。」
「御隠居、その通りだ。奴も本当はまっとうな人間なんですよ。
あんまり責めちゃかわいそうだ。」
と言う事で、みなさま謝る時は日本伝統の
「坊主頭」でお願いします。これを「坊主頭の法則」と名付けました。
だめかな。
ラベル:竹中直人